タイの非常事態宣言については、先月の2020年10月28日に、2020年11月末までの延長が閣議決定されていました。
2020年11月16日、タイ政府のCCSA(コロナ対策担当:Covid-19 Coronavirus Situation Administration)の管轄する委員会は、タイ政府の非常事態宣言について、期限を今月末から来年1月15日まで延長することを決めました。2020年3月26日に発令した宣言から延長は8度目にもなります。
政府は延長の理由として、年末年始の観光シーズンを迎えるほか、1月にバンコクでバドミントンの国際大会が開かれることを挙げております。タイでは市中感染はほとんど確認されておらず、延長は活発化する反政府運動を抑える思惑もあるとの見方が出ております。
今回、新たに来年の年明けの2021年1月15日まで延長をすることが提案され、この後はタイ政府のCCSA、プラユット内閣の了承を経て、正式に決定される見込みですが、反対理由もないことから了承される見通しです。
タイの非常事態宣言はこれで10か月にも及びます。
バーツは対ドルで約10カ月ぶりの高値に上昇
このような最中、タイバーツは高値に。
バーツは対ドルで約10カ月ぶりの高値に上昇。同相は中銀とバーツ高について協議しています。
同相は記者団に対し、バーツ高の原因は資金流入であり、タイの経済ファンダメンタルズに対する楽観的な見方が一因だと指摘します。中銀にはバーツ高に対応する政策手段があるはずだと述べました。
同相は「バーツの管理では、金融政策と財政政策の協力が必要だ。資本流入時に意識すべきは投機だ」と意見します。
タイ中銀のセタプット新総裁は先月、就任後初の記者会見で、バーツの上昇を緩和するために資本の流出を促すと発言。政策金利はすでに低水準で、引き下げの余地は限られるとの認識を示しております。
中銀は18日の理事会で政策金利を0.50%に据え置く見通しです。
アーコム財務相は、政府の消費喚起策を受けて、第4・四半期の国内経済が第3・四半期から改善するとの見通しを示しています。
第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.4%減と、マイナス幅は市場予想よりも小さく、季節調整済み前期比は6.5%のプラス成長と、予想を上回っています。
これを受け、国家経済社会開発評議会(NESDC)は今年の成長率予想をマイナス7.3─7.8%から、マイナス6.0%に引き上げてます。
タイの反政府デモ隊
数か月にわたり続くデモの参加者らは、軍政下に制定された憲法の改正やプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の退陣のみならず、これまでタブーとされてきた王室改革も求めています。
抗議デモのリーダーらの呼び掛けで、参加者らはバンコクのショッピング・商業地区の中心にある複数の交差点に押し寄せました。AFPの推定ではその数は約2万人に上っています。参加者らは反王室スローガンを壁や道路にペンキで書くと、ピエロの格好をした参加者と大きなアヒルの浮輪に先導され、警察本部へ向かいます。
医療当局者によると、50人が負傷、うち6人は銃で撃たれてけがをしたとみられております誰が発砲したのかは現時点では明らかになっておらず、警察が捜査を進めています。
まとめ 今週の目玉
今週は特にタイ国としては激しい一週間となりました。
非常事態宣言は来年1月15日までの延長、更に18日の憲法改正をめぐる国会審議で、王室に関する条文の改正を可能にする議案が否決されました。
このような状況下でもバーツは対ドルで約10カ月ぶりの高値に上昇しました。
翌週の動向が注目されます。