こんにちわ。私はタイ在住10年になりました。たくさんの日本人がタイから日本へ帰っていく姿を見続けて10年が経ちます。ここでは日本の皆さまがタイへの海外出張を命じられてどのような3年から5年間を過ごすのかをわかりやすくお伝えします。ここでは、タイの長期期間どのような生活や困難が待っているかを確認できます。
ざっくりと出張期間をご説明
会社からタイへの出張を命じられた皆さま。ご心配ご無用です。
このブログをお読みいただければ不安はなくなります。むしろタイへ行くのが楽しみになるかもしれません。はたまた更なる不安があるかもしれません。
ここでは実際に私が経験した、
「出張者はどれぐらいの期間で日本へ帰国するのか」
をご紹介します。
東京都:Fさん(38歳・男性)
海外進出にまだ歴史の浅い会社の場合、人選に困ってすぐ帰国となる場合があります。適任者ではないのに選ばれてきてしまった人や、まだ会社で誰も頼める人がいないので無理やりでもやってもらうしかない場合など。仕組みができていないため最初の開拓者は相当な苦労をするはずです。
その中では精神的に病んでしまったり、身体をこわす人も多数でます。
Fさんの場合は、日本では冷静沈着な若手のホープでしたが海外就任以来、社長にしばしば怒鳴られることもあり精神的に病んでしまいます。ある日社長に呼ばれたのにFさんは社長とは逆方向に走っていく姿をみて社長はFさんの日本への帰国を決意します。
新潟県:Dさん(32歳・男性)
もともとDさんは年齢的にも若くタイ人管理者たちよりも年齢も下なので本社の指示系統を依頼するのは厳しいかもしれない見込みがありました。
実際にはタイ人管理者たちとのコミュニケーション問題によりDさんは自分ひとりで何でも業務遂行することになり、当然ですが非常に仕事が遅れてしまいました。このため予定の4年よりもかなり早く帰国決定します。
タイは完全な縦社会です。本社からの人間に対してはかなり絶対的なところがありますのでしっかりとした役職を与えれば上下関係は徹底します。会社側もこのあたりのサポートをしていれば良かったかもしれません。
福島県:Aさん(46歳・男性)
Aさんはタイ就任の2年間はタイ語やタイの人々の考え方に悩みます。しかし3年目ぐらいからは言葉も通じるようになり、コミュニケーションもとりやすくなります。
日頃のタイの生活も慣れて仕事も落ち着いてきます。
仕事のほうは、日本本社からの無理難題もありますが、ケースバイケースで何でも引き受けるような仕事はできません。時には、海外出張者の重荷を何ともかんがえずに無責任な指示依頼をだす人もたくさんいます。このようなことを「さりげなく」さらっとかわす技量も身に着けてきます。
4年目ぐらいからは、日本よりも仕事に慣れてしまいタイのほうが仕事がしやすくなってきます。このままタイで仕事してもいいなぁと思うころに帰国命令がでます。
最後にはお世話になったタイ現地の人々との感動のお別れ会。
ふたたび、厳しい日本の社会へと帰ります。
このような感じで、ざっくり3年から5年が相場かと思います。稀に後任者がいなくて延長延長でなかなか日本帰国できない人もいるようです。
中には、本社の人事体制の関係で早めに日本へ帰国といったケースもありました。
どんな仕事を経験するのか?
先ほどの例でおおまかな出張の内容は見えてきたのではないでしょうか。
海外拠点というのは、仕組みができているようでそうでもないです。このためあなたが就任した際にどのような会社の仕組みをあなたがつくったのか(成果)も期待できます。
過去の歴代の上司のかたがたがつくった仕組みであればなかなか書き換えるのは厳しいですがまったく新しい仕組みについては非常に期待できます。
日本へ帰国のときに
「あれ?○○さんってタイで4年間何したんだろ?」
って言われないように大きな課題と目標をたてるべきです。
実際にタイ出張といえど、なかなか現場は見切れない現実
日本本社からの出向者はたくさんの課題や問題を抱えています。常に毎日会議でよほどのことが無い限り現場へ足を運ぶというのは重要なのですができないのが現実でしょう。
実際のタイ人たちのコメントです。
パトゥンタニー県:Tさん(32歳・女性)
日系企業の工場勤務です。リーダーの仕事をしています。日本から来ている人たちはいつも会議です。現場には滅多にきません。来たとすれば余程大きな問題のときです。
日本人はマネジャークラス以上のタイ人管理者としかほとんど会話しないのでどんなことをしているのかよく知りません。
ラヨン県:Sさん(38歳・男性)
日系企業で働いています。私は少し日本で働いた経験があるのでたまに日本人とも会話をします。それでも専門の通訳の人が普段は対応しますので本当にたまにですね。
いつも日本人は会議、お客様のところへ出張でほとんど会わないです。会社の年末パーティの時に久しぶりに見ますがほとんど日本人で固まっているのであわり関わることは本当にないです。住むところも遠く離れているのでよくわかりません。
このように日々会議です。
|
一つずつ確認していきましょう。
❶毎日会議とタイ人管理者との口論
日本本社からは無理難題が。
しかしタイ人管理者へ指示をすると、通訳がしっかり翻訳できていないのか?タイ人管理者が言い訳ばかりしているのか全く指示に対しての回答でない話が長々と続きます。
よく言われるのは2年経過すると自力でも説明できるようになると言われます。
最初のうちは自力で何を言っているのか理解できませんが1年半あたりから徐々にわかってくるでしょう。
これにはタイ人特有の「言い訳」も混ざっているのでいかにこの言い訳を聞き流すかも技量になります。
会議の内容から話がそれるのも慣れる
管理者でも平気で言い訳をする人材が多いのも特徴です。
このあたりの話をうまく聞き入れながらもとの議題に戻しましょう。
❷日本本社からの膨大な指示
海外拠点の歴史のある会社であれば、すでに帰国している本社の人々のなかにはタイでの仕事の理解者も多いはずです。しかし歴史のあさい会社ほど無理難題を他人事のように平気で言い放つ人もいるでしょう。
あまりこのような人には、かみつくことをせず、ぐっとこらえましょう。
このような攻撃的な人はおそらく何年後かするとタイ出張を命じられることになると思われます。自分のやったことは必ずあとでかえってくるというやつですね。
❸取引先への移動などかなり遠いので一日つぶれる
タイの日系企業というのはほとんどが運転手がつきます。日本の中では「生意気だ」「贅沢だ」という方々も大勢いますが、タイは世界一日本人が死亡する交通事故の多い国です。
そしてただでさえ、日本人が運転していたら万が一の交通事故は圧倒的に不利になるでしょう。余程真剣に事故の後の処理を確認しないと泣き寝入りになる事項が多いのです。知らない間に事故の相手がいなくなってたり、いつのまにか自分で支払いをなんでもやらされたり、訳の分からない書類にサインを要求されたり。
当然ですが、タイのことはタイの人々にお願いするのが良いです。
話は戻りますが、タイのビジネス中心はやはりバンコクでしょう。他にタイの大阪と呼ばれる日本人街のシラチャ、タイ北部に栄える街チェンマイなどなど。さらにタイ全国あちこちにある工業団地は非常に離れた地域にあります。
行って帰ってくるだけで一日つぶれます。
運転手のかたが運転するとはいえ、ノートパソコンで仕事をするはめになるでしょう。
こんな日はたいてい帰りも夜0時とかすごく大変な一日になるものです。
❹たまの休みもゴルフやバンコクへお食事・買い物など
基本ほとんどの人が単身赴任でタイに来ます。まれに家族でタイに来ているかたもいらっしゃるようですが少ないほうです。
バンコク駐妻をうたっている方々のブログを見ますが、実際は会社からすれば冷たい目で見ているかもしれません。何も会社に余裕なお金があればよいですが、あまりにも浮かれた内容ですと単身赴任で我慢している人にも何も言えませんから。
このため、休みの日でも会社の人とつるんで行動することが最初は多いです。ゴルフや釣り。これも長くは続きません。
段々と何か本当にリフレッシュしたくなります。
そんな時に接待やカラオケ屋さん飲み屋に行く機会がくる
こうなってくると出会いが発生します。
当然ですがお店の人も積極的に連絡先交換をしてきます。
日頃から豆にラインが送られて、金曜日の夜などに土日に誘われたらついつい遊びに行くでしょう。
日本人側からすれば何も休みの予定がなく、最近マンネリ化していたのでどこかタイで面白いとこに連れていってほしいというところ。
注意喚起としては、必ず日本に家族がいることを言っておきましょう。いない場合は全く問題ないように思えますが、会社側からすれば海外出張任務期間にタイの女性または男性にてをだした問題ある人と決められてしまいます。
ここで、必ず理解しないといけないことがあります。
タイ人は外人との結婚とは成功例とされており、最初から結婚願望がある
これは特にタイということではありません。
異国の地の人間に興味をいだくことは普通なことです。さらにタイ国では国際結婚は非常に多く全然珍しくもありません。日本人だけではなく、西洋人、韓国人、中国人とにかくタイ人男性というものがだらしないという印象が強いです。
酒・女・金全てにおいてだらしなく、家の中心はお母さんです。お父さんが酒飲みすぎて身体壊してる、浮気したなどという話は非常に多いです。
ちなみにタイ観光地のプーケットの繁華街ゴーゴーバーではタイ人男性は入店禁止でした。理由はお金を持っていない、支払いできないケースが多かったためとのこと。
そんなこんなでタイでは外人さんは非常にモテます。
さらにタイの人々は男女関係なく、やさしい人々なのであなたも心を許してしまうかもしれません。
タイには日本人専門の探偵や調査機関もありますので、それでも構わないって人は頑張ってください。
ただもともと海外に友達をつくるということは非常に素晴らしいことであり、日タイの友好につながるように頑張りましょう。
家族でタイに来られる場合
おそらく会社はかなりサポートしてくれることでしょう。お子さんは日本人学校に通うことだと思いますが、お子さんはめでたく海外留学経験者となります。これが中学1~3年あたりの時代であると高校入試に好印象です。
その代わり、お子さんも大変です。日本人学校は日本語でも良いのでしょうが学力以外にも海外での大変な生活や文化の違いなど。長年つれそった日本の友達とのお別れ。良いことばかりではありません。
奥様におきましては先ほど「駐妻」というキーワードをだしましたが、一概に喜べる話ばかりではありません。お子さんいじょうに奥様の精神的苦痛は大きいかもしれません。最初のうちは言葉の壁。そしておそらく住む場所の近隣にも会社関係のご家族がいらっしゃることでしょう。何か面倒なお付き合いもあるかもしれません。
宮城県:Cさん(27歳・男性)
夫婦2人でタイに来ました。仕事は日本で面接をしてからのタイでの仕事です。
妻はもともと海外生活にあこがれていましたので問題はなかったのです。しかし、徐々にその生活が厳しくなりいつも一人で家で閉じこもっている生活から精神的におかしくなってしまいました。
会社で働く分には人との交流があるので良かったのですが、妻は私についてきてくれたもののいつも家にいるだけ。いろいろ何かやろうとも試みました。
しかしその時にはすでに遅く、ただひたすら日本に帰りたい事実だけが残りました。
インターネット上で華やかに見える海外の駐在奥様「駐妻」。しかしこれは厳しい現実もあるのです。海外で何もわからない不安な生活を前向きに楽しく感じることができる人。
特に友達がいなくても明るく前向きに何でも挑戦する人。
経済的な不安がなくても、自分の国ではない異国の地に住むということは何かしら不安が付きまといます。
このため、誰しもが羨む生活かといえば実際はそうでもないのが現実です。
まとめ あなたの人生の大きなイベント
海外出張とは少なくとも人生の大きなイベントとなるでしょう。
あなたがタイでの出張期間成功できることを心よりお祈り申し上げます。
最後になりますが、タイの人々は一期一会を非常に大切にします。あなたが日本への帰国が決定しタイでの仕事最終日には感動と涙のお別れになること間違いなしです。
仕事には非常に評判の悪いタイの人々ですがその人格や心のもちようは非常に明るく前向きでほとんどの日本人がまたタイに出張になっても喜んで行きたいという話がほとんどです。
たくさんの日本人がタイでの出張をおえて日本へ帰りました。その数々のお別れを見るたびに泣きそうになります。
おそらく、これからタイでの出張を迎えている皆さまは不安もあるとは思いますが最後にはとても大切な良き思い出になることでしょう。皆さまの仕事の成功をお祈りしつつこのブログの内容がみなさまのお役に立てれば幸いです。
それではサワディーカポン。