海外拠点としてタイに支店がある、工場がある、営業所があるという会社は非常に多くあります。まだタイに行ったことのないかた、タイで仕事をしたことがないかたは是非お読みください。本当なの?ということが盛りだくさんです。読み終わったあとには是非タイで頑張っている出張者・出向者の方をいたわってください。
ほほ笑みの国はあなたにほほ笑みましたか
タイに出向・出張で来られる日本人は毎年増加しています。現在タイに住む日本人は2021年のデーターでは81,000人。世界に住む日本人第4位です。
(外務省「海外在留邦人数調査統計」より)
1位はアメリカ、2位中国、3位オーストラリアこのランキングはここ数年変化ありません。
タイはここ数年で海外住むならという国として注目されてきましたがそもそもその前まで海外の拠点といえば断然中国でした。
中国は2005年に反日デモが起きました。製造拠点を中心にしていた日系企業は一斉にタイへのシフトに動きました。
「NEXT CHINA」「CHINA PLUS ONE」と呼ばれてます。
東南アジアの位置としても利便性も高く将来はハブセンターのような物流拠点にすることも視野にいれられます。
このタイの歴史としては、2002年はまだ25,000人程度の日本人しかいませんでした。ところが2017年のデーターでは72,000人まで急激に増えています。これらのデーターは日本大使館に正式に在留届を提出していない人も考えると実際は10万人を超えているとも言われてます。
これってやはり日本人には最高な国なの?
タイの出張・出向を何年間も続けて業務を終えた日本人が帰国するときがきます。
そのほとんどが、「帰りたくない」「最高の職場だった」「帰国しても仲間なので相談してください」です。涙ながらのお別れ会です。
タイの国民性からして一期一会を非常に大切にします。ただこれもあなたが本社日本の人なのでVIPだからこのような対応がある訳です。それでも中には本気で人生における大切な人と思ってくれているタイ人も多いことでしょう。
東南アジアの仕事ぶりはほぼ同じ
これらのことはタイに限ることではありません。インドネシア、ラオス、ベトナム、マレーシアも同様なことがあるようです。
それでは、タイの会社あるあるをご紹介します。
まだタイや東南アジアでの仕事経験がないかたはさっぱり意味がわからないかもしれませんね。これは本当のことで実際に経験した人は
「これって他の会社でもあることなんだ!」
と同じ経験をしている人ばかり。
実際の職場では大勢のタイ人の中で業務をするわけですから場合によっては、自分の考えがおかしいのだろうかと悩む時期もでてきます。
時間外労働はやらない
日本の会社ではよくやりますが、朝の始業10分前に会社に来て掃除しようとか朝礼を早くやろうとかあります。
これをタイの拠点でもやっている会社というのはなかなか日本イムズができていて素晴らしいですね。でもすぐ社員が辞めませんか?これは賃金の安い東南アジアではありえないことです。
日本の会社は人件費の安さを一番の理由として東南アジアに拠点をだしているはずです。
そもそも基本的な考えが日本人に近い人たちもいますが、この人たちはマネジャークラス以上です。やはり安い賃金の人はそんなに会社のためになど尽くさないのです。
指示したことを何度も言う
朝礼の段階で指示をだします。
業務の指示については必ず納期を明確に伝えるのは鉄則です。それでも約束を守りませんので。ここでは仮にお昼前までに報告するように伝えます。
全然素振りがみえない。。。
タイでは言った矢先にすぐ忘れるというのが多いです。念のため途中経過を確認します。
せめてやっている途中の内容を見せてくれればいいのですが、お昼まで待ちます。
気が付くともうお昼の鐘がなり、皆食事に行ってしまいます。
ここで休み時間に仕事の話をするのもタイでは相当ダメなことだそうです!
おいおい、約束の時間過ぎてるのになに平気で飯くってんだよ。。。かなり腹立ちます。
日本人の場合は本社への回答で煽られたり、同じく出向で来ている日本人に回答しなくてはいけないのでやはり煽られます。
このような形で何度も同じことを言います。
結局午後一番に確認、その後夕方までには何とか。
バタバタしている合間に定時で担当者は帰宅している始末。
こんなことが当然のように毎日の仕事になります。
仕事のやり方を教えてもなかなか頑固
しっかり仕事を教えればできるんですよ、という方もいることでしょう。
これがなかなか頑固なんです。マネジャークラスはまだまともなほうなので日本人はだいたいマネジャークラス以上と仕事の話をします。それなりにいいとこのの学校を卒業していたり、富裕層のお家のようでなかなか教えても頑固で自分のやり方を変えません。
結局これがわかりずらい報告書の作成となってしまいます。これじたいが彼らは仕事を理解してないと日本から指摘されます。出向・出張者たちはしっかり指導・教育やってるのかと日本人が結局怒られます。
言って分からないなら、何度も読み返すことのできるマニュアルを作成してあげよう。
これもやりましたが、ダメです。価値観やプライドがあるのでやはり変わりません。
マネジャークラス以上とは日本でいうところの課長以上です。おそらく日本の一般社員よりもタイのマネジャークラスは能力が低いと思われます。
この表現はひどいと思われるかもしれませんが、実際に職場での仕事の考え方を比較するとかなり違うので経験してみてください。
責任を徹底的に避けるのが仕事
日本人は平気ですぐに謝罪してしまうと言われます。これは海外では良くないことです。謝罪すれば全てあなたが悪いと認めたことです。相手はそこにつけいれます。
このような形で何か責任が発生するような行為や発言に関しては皆だまりこんでしまいます。
このようなことはよく「ちんもく」または「無回答」というけいしきで見かけます。
こうすることで時間が経過しうやむやにされます。
こうなるとどうなるでしょうか。
もちろん日本人は覚えてます。日本の本社も催促します。
なので出向・出張者が最後までやらされます!
しかも、ここでもやはり彼らは定時で帰ります。
または帰れなくしても、いつのまにかかえってます。
次の日の朝には何もなかったかのように過ごします。
日系企業アルアル そんなのは追い出せ?
たくさんの日本人が思うことでしょう。
甘い、甘いんじゃないの。そんなの採用するからダメなのよ。そんなのどんどんぶったきっていい人探せばいるんじゃないの。
厳しく指導すれば皆強くなってくんですよ。
このパターンは何度も見てきました。
この行為の結論はあなたが「ダメな管理者」のレッテルを張られることになります。
こんな行為に耐えるタイ人は見たことありません。皆やめます。そして怒られてもない周りの従業員も辞めます。居心地の悪い職場は年配者しか残りません。皆我慢しません。45歳以上の年配者でできる仕事ならそういった職場をつくるのもありかもしれませんが。
実際新しい人材を探してもほとんどが同じ感じです。精神論に耐えるタイ人はいないといってよいでしょう。
実際こんなに多数の従業員が退職すれば間違いなく本社からあなたが疑われます。
これで何故涙のお別れ会?
大変な思いをしつつも何とか任期をやり遂げる日がきます。なんだかんだいろいろな業務をやらされたものの、重要なことは日本人がやるようになっているのでしょうねタイ拠点というものは。安い人件費なので、現場のタイ人管理者は何気に大変です。少し文句をいっただけで従業員は会社を休み、ひどいと辞めてしまいます。給料が生活ギリギリなので我慢しません。なのでマネジャークラス以上は変なところで疲れています。
いろんな苦労をタイの人々と乗り越えて日本に帰国するときがきます。
タイ人は一期一会を非常に大切にします。良い事悪い事すべてが走馬灯のようによみがえりあなたは涙するでしょう。
「あぁぁ、またタイで仕事してもいいかな。。。」
こんな思いに浸りつつあなたは帰国します。
任期の期間は非常に大変なおもいをするものの心やさしいタイの人々に囲まれて日本とは一味違った仕事の忙しさを経験します。良い思い出になることでしょう。
タイに仕事で来る皆さまの参考に少しでもなれば嬉しいです。
それではサワディーカポン。