新型コロナウイルスに関する広域情報が発出されていますので、御確認ください。
タイ国内の危険レベルは以下のとおりです。
【レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)】
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【レベル2:不要不急の渡航は止めてください】
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【レベル1:十分注意してください】
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引用元:外務省海外安全ホームページ
【ポイント】
●タイ南端のマレーシア国境付近の地域は,分離独立を標榜するイスラム武装勢力による襲撃・爆弾事件が頻発しているため,当該地域に危険レベル3またはレベル2を継続して発出しています。
●2019年3月には,民政復帰のための下院総選挙が実施され,同年7月にプラユット政権が誕生しましたが,依然としてタイ社会における軍の影響力の強さ,議会における与野党間の対立の激化,散発的な反政府集会の発生等により,政治情勢は予断を許しません。また,首都バンコクにおいては,同年8月に連続爆発事件が発生しました。さらに,同年12月には,バンコクで日本人1名が重傷を負う強盗致傷事件が発生しています。その他,2020年2月には,ナコンラチャシマ県において,無差別銃乱射事件が発生し,多数の死傷者が発生しました。
1 概況
(1)2019年3月に民政復帰のための下院総選挙が実施され,同年7月にプラユット政権が正式に発足しましたが,依然としてタイ社会における軍の影響力の強さ,軍の政治介入に反対する第二野党の解党を始めとした与野党間の対立の激化,右に伴う散発的な反政府集会の発生等により,政治情勢は予断を許しません。
(2)2015年にはバンコクにおいて日本人が爆発テロ事件に巻き込まれ負傷しています。2019年8月のASEAN外相会議の開催期間中には,首都バンコクの中心部等で連続爆発事件が発生しました。
(3)タイ南端のマレーシア国境付近の地域では,中央政府の支配に反抗するイスラム武装勢力によるとみられる襲撃・爆発事件等が頻発しています。主に警察,軍,刑務所等の職員や施設(公共交通機関)等がその標的となっていますが,これらにとどまらず,ホテル,ショッピングセンターなどが攻撃されることもあります。
(4)2020年2月,ナコンラチャシマ県のショッピングセンターにおいて,兵士による無差別銃乱射事件が発生し,多数の死傷者が発生しています。容疑者は軍により射殺されました。
(5)タイとカンボジアの国境地域においては,両国の主張する国境線の相違により,一時期,軍同士の衝突が発生していましたが,現在は沈静化しています。しかし,一部の地域においては今後も衝突等不測の事態が発生する可能性が排除されません。
(6)これまでに,タイにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,(2)のように日本人が爆弾事件に巻き込まれて被害に遭っています。また,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2 地域情勢
(1)タイ南部4県(ナラティワート県,ヤラー県,パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡))
「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」(継続)
南部地域にはタイからの分離独立を標榜するイスラム武装勢力が存在し,これまでに同集団によるとみられる襲撃,爆発事件が続発しており,死傷者は,軍・警察関係者,教員を含む公務員やその他一般市民,外国人まで広く及んでいます。2019年11月には,ヤラー県の検問所で武装グループによる襲撃を受け,自警団ら15名が殺害される事件が発生しました。なお,2004年以降15年間も,こうした襲撃や爆発事件によって7,000人近くが死亡したとされています。
つきましては,これらの地域への渡航・滞在,及び同地域を通過してのマレーシアへの越境等は,どのような目的であれ止めてください。
(2)ソンクラー県(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡を除く)
「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」(継続)
ソンクラー県の西部では,ジャナ郡等のある東部と比して,情勢は落ちついています。ただし,2017年には銃撃による死傷者が出ている他,バイクや自動車に仕掛けられた爆発物による爆弾事件が,過去にもホテル付近,商業施設,コンビニエンスストア等で発生しました。
つきましては,この地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には,特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとって下さい。
(3)プレアビヒア寺院周辺地域(タイのシーサケート県とカンボジアのプレアビヒア州との国境地域東部)
「レベル1:十分注意してください。」(継続)
タイとカンボジアの国境地域においては,国境線,特に世界遺産プレアビヒア寺院(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン寺院)の領有をめぐって,両国の主張に相違が生じていました。既に国際司法裁判所(ICJ)は,同寺院をカンボジアに帰属するものとの判決を下していましたが,2008年にカンボジアが同寺院を世界遺産に登録するようユネスコに申請すると,タイはこれに反発し,軍事衝突も発生しました。2011年,ICJは同寺院周辺地域からの即時撤兵を両国に命じ,その後主立った衝突は発生していませんが,今後の政治情勢の変化等により再び緊張が高まる可能性は排除できず,渡航・滞在にあたっては引き続き十分な注意が必要です。
同地域への渡航・滞在を予定されている方は,最新の関連情報の入手に努めてください。
なお,一部地域では地雷の撤去作業が続いていることから,立ち入りが禁止されている場所には絶対に入らないでください。
(4)首都バンコク
「レベル1:十分注意してください。」(継続)
ア タイでは,反政府デモや集会がたびたび発生し,過去には暴徒化することもありました。背景には2006年や2014年のクーデター等に見られる政情不安等があります。
イ 首都バンコクでは爆発物が散発的に爆発しています。2015年8月,首都バンコク中心部のラチャプラソン交差点において爆発事件が発生し,外国人を含む20名が死亡,日本人1名を含む多数の負傷者が発生しました。また,同月,サートンピア(バンコク中心部チャオプラヤ川のタクシン橋付近の船着き場の水中)で爆発が発生しました(死傷者なし)。更に,2017年5月,バンコク戦勝記念塔付近の軍関連病院内において爆発物が爆発し,25名が負傷しました。その他,民主記念塔付近,国立劇場付近,UNESCOの事務所付近で,それぞれ小型の爆発物が爆発しています。
ウ タイは,2019年3月に民政復帰のための下院総選挙を実施し,同年7月にプラユット政権が誕生しましたが,依然としてタイ社会における軍の影響力の強さ,軍の政治介入に反対する第二野党の解党を始めとした与野党間の対立の激化及び右に伴う散発的な反政府集会の発生等により,政治情勢は予断を許しません。
エ ASEAN外相会議開催中であった2019年8月1日から2日にかけては,首都バンコクに所在する警察本部庁舎前や政府合同庁舎前等の官公庁施設やショッピングセンターにおいて,連続爆発・放火事件が発生しました(死者なし)。本件の容疑者の一部は現在も逃走中とみられています。
オ 2019年12月には,バンコクにおいて,邦人1名が徒歩により帰宅途中,バイクに乗った2人組の男に刃物により身体を数カ所刺された上,現金等を強奪される強盗致傷事件が発生しています。
つきましては,バンコクへの渡航・滞在に当たっては,最新の情報の入手に努める等,不測の事態に巻き込まれることのないよう,ご自身の身の安全を確保するなど,十分注意してください。
3 渡航・滞在に当たっての注意
(1)タイにおいては,首都バンコクやリゾート地等においても爆発事件や銃撃事件が発生しています。また,都内各地で反政府活動家や民主活動家等による政治集会が開催されています。不測の事態に巻き込まれることのないよう以下の点に注意してください。
●不特定多数の人が集まる場所(観光施設,公共交通機関,レストラン,ショッピングモール等),軍・警察をはじめとする政府関連施設や宗教関連施設などを訪れる際には,周囲への警戒を怠らないようにする。
●不審物や不審者等を察知した場合には,すぐにその場を離れる。
●爆発が発生した場合,時間差で別の爆発が起きる可能性があるため,現場に近づかない。
(2)渡航・滞在に当たっては,「安全対策基礎データ」や「安全の手引き」も参考に,危険を避けるよう行動してください。
また,外務省,在タイ日本国大使館,在チェンマイ日本国総領事館,現地政府機関,報道等から最新情報を入手するよう努めてください。
(3)
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在される方は,在タイ日本国大使館又は在チェンマイ日本国総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず「在留届」を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新の安全情報や,緊急時に在タイ日本国大使館又は在チェンマイ日本国総領事館の連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html)
(4)近隣のミャンマー,ラオス,カンボジア及びマレーシアにもそれぞれ危険情報が発出されていますので,そちらにも留意してください。
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